オーナーインタビュー
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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」を活用されているオーナー様のインタビューをご紹介いたします。


第6回 本陣平野屋 女将 有巣栄里子様



本陣平野屋様HP
「花兆庵」と「別館」。趣の異なる2つの館のご予約機会ロスは防げていますか?
女将 : Escort*を導入して1年以上経って皆が慣れてきて、画面を自由に見られるようになってきたんですね。当初は、両館を見ようと思っても、「やっぱり手台帳の方が見やすいわ」と思っていました。最近は、館別管理機能を使って、「こっちの館が空いているから、こうしたら」というようなことが画面を見ながらできるようになってきました。それが「別館」のフロントや、予約からも、そして離れた「花兆庵」のフロントや、私のデスクからでも、皆がそれぞれに見られるということが、とても便利に楽になってきましたね。例えば、「別館は満館になっているけど、花兆庵はまだ空いているからご案内できますよ」みたいな話しもできるわけです。実際、両館を見比べながら、「人数が多いんだけど」とか、「露天風呂の部屋がいいんだけど」っていうお客様のご希望を聞いたときに、瞬時にそれぞれの館の画面へパッと移れて、空いている部屋がわかって、「それでは、ジュニアスウィートがお勧めですよ」というような話ができますからね。それが、「えーと、ちょっと待ってくださいね」みたいな話しをしなくていいというのは大きいメリットですね。
Escort*を導入してお困りになられた点は?
女将 : Escort*を入れたことで入力業務など自分自身の守備範囲がすごく広くなったんですよ。自分の好きなように手書きしていた部分が、テキスト入力をすることで、Escort*にすごく時間がかかるようになったんです。それを今ちょっと反省していて、もう少し現場に戻ろうと思っているんです。
質問 : それはつまり?
女将 : うちは情報を武器に使っているからです。他の施設さんでも同じだと思いますが、もう皆自分で顧客管理をしないと生きていけないと思うんです。少なくとも私の知っている方々は結構ご自分でやられている方が多いと思いますけど。
質問 : 入力に時間がかかる?
女将 : 情報が多いからですね。例えば手配書でリピーターさんの情報として、男性が大・女性が中、これは浴衣のサイズですが、灰皿なし、お酒は飲まないが食前酒はOK。入力したのはフロントなり私なりですけど、客室係りさんは自分が毎日の日報の中に書いた情報が打ち込まれていて、活用されていると、お客様に対してもそうですけど、自分自身のモチベーションもすごくあがるんですよ。客室係りさんは毎日日報を書くんですよ。もちろん手で書くんですけれど。それは結構すごい仕事量で、日記みたいになって時間がかかるんですけど、自分たちが集めた情報が役に立つとやっぱり客室係りさんは嬉しいわけですよね。自分の書いたことが活かされていた、書いたことが無駄じゃないっていうことがわかりますよね。それならもっと詳しく書こうっていう気になってくれるんですね。本来は、「お酒飲まない」だけでもいいわけですよ。だけど、「でも食前酒はOKだったわよ」っていうのを書いてくれることによって、自分たちもお客様も両方喜べるんですよね。その意味でEscort*の前にいる時間が多くなったんです。
質問 : 情報を武器にする理想の形ですね。
女将 : 最初からこんな効果が出るとは思いもしませんでしたが、結果的に、「この間書いた情報がここに入っていて今日の接客に役立ったわ」って。これはすごく、なんというか、自分の書いたことが一方通行じゃなくて、受け止めてもらっていて、しかもそれが必ず活かされているって感じてくれていることがとても嬉しいですね。やっとそこまで皆がEscort*を活用できるようになってきたということでしょうか。今後は、もっと皆が楽になって、私ももっと現場にたくさん出られるようになれたらいいなぁと思っているんです。やっぱり現場ありきだなと思うので。
質問 : やっと活用出来るようになった?そんなに大変でしたか?
女将 : 導入当初はもう振り回されていましたよ、Escort*に。「Escort*に使われている私たち」みたいな感じ(笑)。ようやく、Escort*を振り回せるようになってきましたけど。でもそれは実はEscort*に振り回されていたんじゃなくて、パソコンの使い方に振り回されていたんだなというのが大きいですね。エクセルの使い方を知らないとか、ワードとしての機能を良くわかっていないとか、その程度の話で、実はEscort*じゃなくてパソコンに振り回されていたのね、という結論に至ったんです。
質問 : 情報が活きている、また、活かしているということですね。
女将 : やっと、いい方向へ回り始めたって感じですかね…。今、2年弱ですがデータベースが少しストックされてきたので。今ちょうどうちは季節的にリピーターさんの時期なんですね。だから、余計に活かされているのかもしれません。3年分くらい溜まってくると、リピーターさんはだいたいその中で動きますから、もっと楽になるのかなと思っているんです。
御社の強みは何ですか?
女将 : うちの強みは社員さんですね。温かいんです。例えば別館だったら、別館の客室係りさんは年齢が割と高いんですけれど、すごく温かいんですね。田舎のおばちゃんのところへ帰ってきたみたいな感じ。そういう温かさ。別に格式ばってもないし、「よく来たね」みたいなところが今お客様が喜んでくださっているところですね。また、花兆庵のモットーは、お客様が言おうとする前にスッと出てくるみたいなところかな。
質問 : かゆいところに手が届く?
女将 : かゆくなる前に手が届く。これが現段階ですが、今後は、なんとなくお客様の目がキョロっと動いただけで「あ、こうしたいのね?」みたいになれるといいなぁ、と思っています。確かにその域は難しいかもしれませんが、でも、そこを目指さないと私たちは生きていく道がないと思います。
質問 : 先程からお話をお伺いすると、まだまだ発展途上のようなお話しをされるんですが、もう完成されてしまったなという感じがするんですが。
女将 : そんなことはないです。積んでは崩しの繰り返し。「完璧だったわ、今日は良かったわ」という日はないですよね。「あれしとけばよかった、これしとけばよかった、明日行ったら先ずこれからやらないとダメだなぁ」とか、なかなかやはり100%にはいかなくて、「しまったなぁ」って思うことの方が多いです。
最近お客様のご予約は、インターネットからが多いですか?
女将 : そうですね。その月にもよるし、そのプランにもよりますけれど、自社ホームページからの予約が多くなってきたことは事実ですね。
質問 : それは羨ましいですね。ノウハウは企業秘密でしょうけど。
女将 : ノウハウがあるなら教えてもらいたいですよ(笑) 。やっていることといえば、日々の中でできることはこまめにやる、例えば、プランの充実であったり、それから、ブログとかの更新ものはマメにやるとか、お客様の目になって自社ホームページを見るというレベルですよ。管理画面側から見ているだけではダメですね。
質問 : 最近、ハウスカードをお作りになられたとか?お客様の囲い込みですか?
女将 : 囲い込むというかリピーターさんにはリピーターさんのメリットがなければダメだなということで作ったんですよ。うちは、ご紹介してくださる方がすごく多いんです。友人のAさんを紹介してくれても、「紹介した」って言ってくださらないので、紹介してくださったBさんにお礼が言えないままじゃないですか。だから、「Aさん、行くんだったら私のカード使ってよ」ってBさんが自分のカードを貸してあげて、それでBさんにお礼が言える。そうすると、Escort*の紹介者への紐付けもできるから情報が活きてきますよね。そうじゃなかったら、いくら紐付け機能があっても紐付けできないんですよ。この冬から始めて、リピーターさん企画にも併用して使っているので、すごく好評でお客様にも喜ばれています。
質問 : いや〜ありがとうございます。機能の活用方法を教えていただくとは…。一つ質問させてください。リピーターのお客様が増えれば増えるほど、ご予約はお電話一本で、「あぁ○○だけど、何月何日空いてる?じゃあ二人で行くからよろしく」と、簡単な予約が多くなり、自社ホームページからの予約は増えないと思うのですが…。
女将 : そう思うでしょ?それがね、やはりというか皆忙しいんですよ、お客様って。だから、うちの予約に電話して、「○○だけど…」って言って電話される方も勿論あるんですが、それ以外にホームページの予約、自分の好きな時間に、夜中の1時とか2時とか、皆忙しいから、帰ってきてご飯食べて、それから電話しても夜警さんしかいない時間になっちゃうんですね。それじゃつまらないじゃないですか、自分はリピーターなのに、リピーターさんってわかってもらえない。だからといって、予約さんのいる時間帯に電話をしようと思ってもそれは難しい。だから、夜中の1時とか2時とかに予約が自社ホームページに入ってきているんですよ。でもね、それはそれでありがたいの。Escort*上でちゃんとリピーターさんってわかるから。電話番号さえ入っていれば、Escort*に取り込むときにわかるわけじゃないですか。しかも、リピーターさんもその方が楽なんです。自分の好きなときに予約をして、しかも、ちゃんとリピーターとして認識してくれている、という事をリピーターさんは承知しているんです。そこがポイントなんですね。Escort*はちゃんとリピーターってわかってくれていて、ご来館時には、「○○様ですね、いつもありがとうございます」と言えるシステムになっているというのは安心ですよね。だから電話でいちいち声高々に、「リピーターだ」って言わなくてもいいから、お客様にとってもホームページからの予約はスマートな気がします。本当に多くなりましたね。やっぱり時間的なロスってこともあるんだと思います。そして、インターネットで予約してもリピーターってわかってくれているっていう大前提があるからかもしれません。そうじゃなかったらやっぱり電話したほうがリピーターの扱いを受けられるからって思われてしまうので。年配の方でも皆インターネットやられるじゃないですか。自分の好きなときに好きなように予約が出来るから多くなりましたね。リピーターさんは特にホームページからの予約の方がすごく多くなってきています。やっぱり自分のフリーになる時間に、好きなようにしたいってことなんだと思います。ふれあいを楽しむのは現地に到着してから。機械ですむことは機械ですませておいて、行ったら手厚いおもてなしが欲しいんですね。当然それは機械の世界ではないので。
Escort*の導入前・後でのメリット・デメリットを教えてください。
女将 : 欲しい情報がすぐ取り出せる、かな。例えばデータもので、「この企画はどのくらい入っているんだろう?」とか、「この期間はどうなっているのかなぁ」とかを、今までは予約センターにいって、台帳めくって自分で電卓をたたいていたので、「この企画は何人入っているの?」って聞かれても、「えーっと」っていう話しが多かったですよね。それが自分のデスクに座っていて、他の仕事をしながら、「あれってどうだったんだろう?」と、すぐに取り出せる。インターネットのプラン作りにも役立ちますよね。去年のデータは?とか、そういうデータものは本当に楽になりましたね。しかも、だいぶ欲しいものが取り出せるようになってきて、それは喧々諤々やってきた価値がありましたよね。今では会長も社長も直接Escort*のデータを見ている。便利になったからだと思います。あとは「女将さんいる?」っていうお客様がすごくいるんですよ。でもね、予約の状況がわからなくて、「お調べして折り返します」って言わなくてよくなった。逆に、「今とても便利になりまして私でも状況がすぐにわかるんですよ、今画面見ますからね、この日だったらこの部屋とれますよ」とか、「○○様はいつもこのお部屋ですよね」みたいな話しができるんですよ。それはとても楽になりました。
質問 : 逆に、困った、失敗した、これらも正直に教えていただきたいんですが。
女将 : たくさんありましたね(笑) 。ここまで来る道のりの中では。もう入れなきゃ良かったと思ったこともありました。やっぱりそれは振り回されていたことかな。なにせEscort*に使われていましたから(笑)。人間って一回座ると不思議なもので立ち上がりたくなくなるんですね。そうすると何となくEscort*を見始める。気づいたことを入力し始める。どうせ打ち始めたなら全部打っとかなきゃ、みたいな気になってしまって。それと、不思議なもので、花兆庵の情報を見ていると別館の情報も見たくなったりして、遊んでいるわけじゃないんですが、遊んでいるような状況がすごくあったかもしれません。「あれとこれのデータを見るにはどうするんだっけ?」と思いながら、ずっとそればかりやっていたとか、「これを加工するためにどうしたらいいんだろう」と思って加工していたとか、そんな振り回され方をかなりしていたので。それと、余りにもたくさんの顧客情報があるために、備考欄への入力量がすごく多いんです。共通項目もある程度多いので、Escort*に専用の入力項目を作ってもらって統計が取れるようになればいいと思います。いずれにしても、顧客管理は便利になりましたね。今の段階はまだ2年分のデータしかないんですが、花兆庵のご利用、別館のご利用と、過去利用の紐付けができていますし、これから先はどんどん履歴が出てくるので、更に楽になるんじゃないですか?これが3年、4年と溜まってくれば随分楽になる筈ですね。
最後に、常に気を付けていることは何ですか?
女将 : お客様に「不便だな」と思わせないことです。ご要望を言われる前に何とかやれることはないかしら?と、常に気をつけています。仮に苦言を言われたら、二度と同じ過ちはしたくないという思いがあるので、そういう意味で活かせるものは全部活かしていきたいと思っているんですね。日々そんなに上手くいくことばかりではないし、自分ひとりでできることっていうのは限られていますから。社員の皆と協力して、その中で、お客様から「また来るよ」って言っていただけるような雰囲気にしていかなきゃいけないわけですから、この点は結構真剣にやりますね。そのために、情報というものを徹底的に活かしていかなければならないと思っているんです。
*Escort : Conseilの旧バージョン
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