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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」をご利用いただいている施設様で本当にあった出来事を元に、実話シリーズとしてご紹介します。 |
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40代の男性は受話器を上げて都内の高級レストランへ電話を掛けた。そのフランス料理のレストランは完全予約制のため、必ず予約をしておかなければならない。去年も電話をしたのが、このころであったことを思い出しながらダイヤルボタンを押した。3回コールしたあたりで、落ち着いた雰囲気の女性が電話に出る。日付とディナーのコース、そして妻と二人であることを伝えて電話を切った。控えめなこの男性は基本的なことしか伝えなかった。
レストランの予約電話の隣にあるコンピュータには、既に男性の顧客情報と過去の利用履歴が表示されていた。このレストランでは、顧客の利用履歴が表示されても過剰な案内をしないように努めている。いかにもコンピュータで顧客管理をしていることを顧客に意識させないためである。このレストランでは、男性にジャケットとネクタイの着用をお願いしている。これまでは、常連のお客にもかかわらず、ジャケットとネクタイのお願いをしてしまったため、しかられたことが何度かあった。最近は担当者が変わっても履歴を確認できるので、そのようなおしかりをもらうことがほとんどなくなった。もちろん、この男性にも案内はしてない。電話を切ってから利用履歴を見ると過去3回の利用のうち、2回の日付が同じである。何かの記念日であることを確信しながら、厨房のスタッフに相談すると、その日は男性の奥様の誕生日であることがわかった。コンピュータには同伴者として奥様の名前も記録されている。
2週間ほどしてその当日、二人は予定の時間になるととっておきのいでたちでレストランに現れた。このレストランでは常時約800種類のワインを置いており、前回飲んだ銘柄は全て正確に記録されている。専属のソムリエはこの正確な情報に独自の味付けをしてお客様にワインを楽しんでもらうのである。この夫婦にも同じようにお好みの味わいの銘柄を勧めた。食事は後半にさしかかり、メインディッシュも終わって二人の胃袋もそろそろいっぱいになっていた。あいかわらず二人は少ない言葉を交わしながら英国調の趣のあるレストランの雰囲気を楽しんでいた。ここまでは他のお客と変わらない夫婦の食事であり、レストランも特に変わったサービスをしたわけでもなかった。
それは、デザートがテーブルへ運ばれてきたときのことであった。おおきなデザート用の皿には、真ん中にメインのデザート、サイドには長身のろうそくが3本、そのとなりには作り物のお花、そして、その皿の向こう側には、「Happy Birthday ○○○(名前)」とチョコレートソースで書かれていた。これは、予約の際に誕生日であることを承った場合のお誕生日企画のデザートである。婦人は思わず声を上げて喜んだ。男性に対して感謝の気持ちでいっぱいになり、胸の奥から熱いものがこみ上げてきた。それよりも、驚きと喜びを噛締めてさらに熱くなっていたのは男性のほうであった。不器用なこの男性は、予約の時に妻の誕生日であることを告げていなかったにもかかわらずこの演出である。レストランの中でそのテーブルにだけ花が咲き誇り、光が注がれたような瞬間であった。
その後、二人はゆったりの流れる時間を充分に楽しんだ後、レストランを出て行った。夫婦の間で、男性の株が上がったことは言うまでもない。
別のワインにたいへんくわしい大手ブランドの社長との話しである。2回目の利用の予約をもらったときのことである。大切な取引先の接待であるとのことで気合いが入っている。そこで、レストランでは1回目に飲んだワインの銘柄から今回のワインをセレクトし、それにあわせて料理も企画して案内したところ、「私のテイストをわかってくれていてうれしい。ところで、一部この部分を変えてみたいのだが、どうだろう?」と相談を受けた。そのようなやりとりの結果、接待は大成功した。 |
[ 活用されていた機能 ]
■CTI機能。電話が鳴ると同時にお客様の情報がコンピュータの画面に表示される。
■利用履歴自動蓄積機能。チェックアウトした時の全ての内容を利用履歴として記録する。
■同伴者機能。代表の方以外の同伴者の情報を聞き出して登録しておいた。
[ 活用のポイント ]
■高級レストランであるがゆえにさりげなく顧客情報を現場に活用する。
■9000種類登録できる品目マスタに常備できるワインはコード別に、希少な銘柄は名称を打ち変えて登録。 |
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