おもしろ実話
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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」をご利用いただいている施設様で本当にあった出来事を元に、実話シリーズとしてご紹介します。

第6回 旅行業者の担当者へ感謝

大手旅行業者に勤めていたA氏の驚きは予約の段階から始まった。長年勤めた旅行業者を退職してお気に入りの旅館へ、妻と宿泊するために予約の電話をしたときのことであった。添乗員として泊まったことはあったが、宿泊客としては初めて電話したにもかかわらず、これまでの送客のお礼の言葉が返ってきたのだ。A氏はこの旅館のファンであったので、支店や営業所を転勤になっても可能な限り送客してきた。旅館の営業担当者ならともかく、なぜ予約担当者が自分のことを知っているのか驚いた。

その後、A氏には次々と驚くことが起きたのである。旅行の2週間ほど前になると、旅館から予約内容の確認書とパンフレットが郵送されてきた。予約内容の中には、「○○旅行社にお勤めの間は、たいへんお世話になりました。感謝の気持ちを込めてワインをサービス致します」と添えられていた。妻はそれを見て、旅行をますます楽しみにしている。期待に応えてくれるだろうか?

そして旅行の日がやってきた。フロントでチェックインをしていると、フロントマンから「A様、以前はたいへんお世話になりました。特に□年△月の団体様のときにはたいへんでしたね」と声をかけられる。最後のツアーのことであればともかく、しばらく前の団体のことを話されたので驚いた。たしかにあの団体は問題の連続で添乗員として館内を飛び回っていたことを記憶している。しかし、そのときこのフロントマンは対応してくれただろうか?その後、そのフロントマンは「奥様、A様はこれまで私どもの旅館をごひいきにしてくださり、こちら方面の宿泊旅行は必ずといっていいほど当館をお使いいただきました。本日は、感謝を込めてワインをサービスさせていただきます。」というのだ。その言葉も送客記録を見ているかのように自信に満ちたものであった。妻はA氏の顔を見て目を丸くしている。これまでA氏は仕事仕事で、いつも家を空けていたので妻は不満の気持ちでいっぱいであったのだが、これまでの旅館の対応でその不満の気持ちが薄れていくのを感じていた。(客室に行ってから妻が、「あなた、見直したわよ」と言ったかどうかは定かではない)

食事の時間になると、接客係の仲居からもこれまでの送客のことを話題にされ、部屋へ布団を敷きにきた担当者からも声をかけられた。妻は夫がこの旅館をひいきにするとともに、旅館のスタッフにも覚えられていると感じ、悪い気はしなかった。

チェックアウトでは、売掛にして帰った。まるで我が家から出かけるような感覚である。後日、振込みをするとの連絡をすると、経理の担当者からまたしても今回の利用のお礼のみならず、これまでの送客の話題なのだ。この旅館はいったいどうなっているのか?どんな情報共有をしているのか?A氏は心の中で、自分の見る目は確かであった。この旅館ならこれまで送客したお客様に感動を与えてきたに違いない。

それでは、旅館のスタッフはいったいどのようにして情報を共有していたのか。これまでの送客は予約ごとに旅行業者と担当営業A氏を登録するだけで、A氏個人の情報に自動的に送客記録が蓄積されてきた。代表利用者の情報だけが顧客として記録される一般的なホテル旅館向け顧客管理とは違い、送客業者と担当者や、支払者(または会社)を登録すると、登録された方を呼び出したときに利用記録だけではなく、送客や支払、さらに団体のひとりとして来たときの同伴記録までが表示される。このA氏の場合は、送客記録が何十件と並んでおり、最後に今回のご利用履歴が1件だけ表示されていたので、スタッフたちは同じ画面を見て接客をしていた。さらにフロントでは、その送客履歴をクリックして詳細情報を確認したので、しばらく前の送客内容でも自信を持って細かな話題にすることができたのである。さらに経理で対応できたのは、予約・フロント会計機能に加えて売掛管理も顧客管理に連動しているためである。こうして、接客サービスの底上げができたこの旅館は、これからもお客様に感動を与えていくであろう。

[ 活用されていた機能 ]
■個人・法人機能。旅行業者と営業マンのリレーション。転勤しても送客記録を引き継ぐ。
■送客法人と送客個人。予約登録の際に扱い業者と営業マンを登録しておけば、送客履歴の登録完了。
■売掛管理の実績照会。経理での顧客照会。

[ 活用のポイント ]
■大手の旅行業者でもなるべく担当営業を聞き出して登録した。
■表示された数十件の送客記録と1回の利用記録をみてどのような接客をするか相談してあった。


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